UX / UI のデザインに強いWebシステムの開発と、BtoB Webマーケを支援するWeb制作を提供するN’s Creates (エヌズクリエイツ) 株式会社の西山です。
ソフトウェア開発手法の一つ「ウォーターフォールモデル」。
しかし、その源流である Winston W. Royce氏のオリジナル論文 “Managing the Development of Large Software Systems”(1970年)と、現在広く理解されている「直線型ウォーターフォール」には大きな隔たりがあります。
1. Royce 論文の真意
1.1 直線型モデルの提示とすぐ後の批判
Royce氏はまず、以下のような一方向の工程を示します。
要件定義 → 基本設計 → 詳細設計 → 実装 → テスト → 保守
しかし同じ論文内で即座に「このモデルはリスクが高い」と指摘し、早期のフィードバックループを必須としています。
特に「テストの結果を設計/要件へ戻す」仕組みを入れないと、大規模開発では必ず手戻りが発生し、失敗リスクが増大すると述べています。
1.2 5つの追加ステップ
Royce氏はその上でアップダウン式のモデルを取り入れるのであれば、次の5つのステップを挿入することを提唱しました。
- プログラム設計の先行
実装前に詳細なプログラム設計を行い、設計段階で実装上の問題を洗い出す。これにより後工程での大幅な手戻りを防ぐ。 - 設計文書の徹底整備
設計書を単なる形式的な文書ではなく、実装者が実際に参照できる詳細で正確な仕様書として作成する。文書品質が最終製品の品質を左右する。 - パイロットモデル(試作)の構築
本格実装前に小規模な試作版を作成し、アーキテクチャの妥当性や技術的課題を早期に発見・解決する。現在のプロトタイピングやMVPの概念に近い。 - テスト専門家チームによる徹底テスト
開発者とは独立したテスト専門チームを設置し、客観的な視点でシステムの品質を検証する。開発者の思い込みや見落としを防ぐ。 - 顧客レビューの多段階実施
要件定義、設計、実装の各段階で顧客による確認・承認を行い、顧客の真のニーズとの乖離を早期に発見・修正する。
まとめ
Royce氏のオリジナルは「手戻り無し」の一方向モデルではなく、多数のフィードバックループを組み込むことで大規模開発の失敗を防ぐものでした。
しかし、現代において本来の意図とは異なる「硬直的なウォーターフォール」として曲解されてしまっています。
Royce氏が本当に伝えたかったのは「適応的で柔軟な開発プロセス」だと感じます。
どこで曲解されたかの背景もどこかで調査し、ブログに記載できたらと思います。
より詳しく知りたい方は、以下に参考となる論文のURLを掲載しますので、ぜひご参照ください。
参考文献
UX / UI のデザインに強いWebシステムの開発と、BtoB Webマーケを支援するWeb制作を提供する
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