Affinity Studioが無料化 — Adobeとの違い

高田 和弥 / 2025年11月7日

UX / UI のデザインに強いWebシステムの開発と、BtoB Webマーケを支援するWeb制作を提供するN’s Creates (エヌズクリエイツ) 株式会社の高田です。

クリエイティブツールの選択肢が大きく変わりつつあります。
10月30日、英Serifが従来の「Affinity」シリーズを統合した新アプリ「Affinity Studio」を完全無料で公開されました。
今まで買い切り型として支持されてきたAffinityが新たに無料提供へ踏み切ったことで、制作環境の選択肢がさらに広がったので、今回は「Affinity StudioとAdobe Creative Cloudとの違い」「現場でどう使い分けるべきか」をまとめました。

Affinity Studio

Affinity Studioとは、これまで個別アプリとして提供されていた、

  • Affinity Photo(画像編集)
  • Affinity Designer(ベクターデザイン)
  • Affinity Publisher(レイアウト)

以上の3アプリを、ひとつに統合したクリエイティブツールです。

Windows、macOS(iPadOSは後日リリース予定)に対応しており、写真補正から印刷物制作まで幅広いフィールドで活用が期待できるクリエイティブツールです。
過去Affinityシリーズと同様に、シンプルな操作性と軽快さを保ちながら、ひとつのアプリ内でワークスペースを切り替えることが可能になり、画像編集・デザイン・レイアウト(DTP)をまとめて行うことができるのが特徴です。

Adobeとの違い:構造と料金モデル

Affinity StudioとAdobe Creative Cloudには、構造面でも料金モデルでも大きな違いがあります。

AdobeはPhotoshopやIllustrator、InDesignといったアプリがそれぞれ独立しており、用途に合わせてアプリを切り替えながらの作業が当たり前ですが、Affinity Studioはひとつのアプリにワークスペースの切り替えというスタイルで、複数の機能を統合しているため、作業を効率的に進めることができます。

料金モデルについては、Adobeはサブスクリプション型で提供されていますが、Affinity Studioは無料で利用することができます。
ただし、Canva AI機能を利用したい方は、Canvaプレミアムプラン(サブスク型)への契約が必要となります。※詳細は公式情報を参照

一部機能の差はあるものの、このコスト面での違いは、特に個人クリエイターや小規模チームにとって使用するクリエイティブツールの選択肢を大きく広げることになります。
また、Adobeにはクラウドドキュメントや共同編集、アセット管理など、チーム制作を支える機能が充実していますが、Affinityは同様のクラウド環境が限定的なため、「個人・小規模チーム」「企業・大規模チーム」という視点で分かれてきそうです。

【料金モデル】

  • Affinity Studio:無料(Canva AI利用には、Canvaプレミアムプランの契約が必要)
  • Adobe Creative Cloud:サブスク型

【特徴】

  • Affinity Studio:個人・小規模チーム向き
  • Adobe Creative Cloud:企業・大規模チーム向き

実務視点での比較ポイント

生成AIへの対応、DTP(商業印刷)での精度、チーム制作でのワークフローという3つの観点からも違いがあります。
例えば、Adobeは生成AI「Firefly」が統合されており、プロ向けの画像編集や量産系のワークフローに強みがありますが、Affinity Studioは標準でAI機能を利用することができないため、サブスク契約が必要でAIの機能差もありそうです。

また、印刷領域に関しては、AffinityにもDTP機能が備わっているため、小規模な印刷物中心の制作では十分な戦力になりえますが、自動化やスクリプトによる効率化が必要な大規模運用面では、やはりAdobeの豊富な拡張性や連携性が現場に求められると思います。

まとめ

Affinity Studioの無料公開は、クリエイティブツール市場にとって大きな転機だと感じていました。
個人や小規模制作チームであれば、コストを抑えつつ十分な制作環境を手に入れる選択肢として、今後重要視されることでしょう。
一方で、クラウドでの共同作業や自動化、高度なAI連携まで視野に入れるとなると、やはり依然としてAdobeに優位性のあると感じてはいますが、今後アップデートにより機能拡張されていく可能性もあるため、引き続きAffinityの情報を追っていきたいと思います。

今後も様々なツールが出てくると思うので、
用途に応じてツールを選び、必要に応じて併用する柔軟さ」が大事ですね。

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