ユーザーに学習させる「長期的ユーザビリティ」という考え方

齋藤 公一 / 2026年1月20日

UX / UI のデザインに強いWebシステムの開発と、BtoB Webマーケを支援するWeb制作を提供する
N's Creates (エヌズクリエイツ) 株式会社 フロントエンドエンジニアの齋藤 (@31mskz10) です。

デザイン設計において、ユーザーにとって使いやすいUIを作ることは非常に重要です。
今回は、「長期的ユーザビリティ」という考え方について紹介します。

長期的ユーザビリティとは

長期的ユーザビリティ(LTU: long term usability)とは、ユーザーが長期間にわたって学習した操作方法や配置を一貫して維持することで、新しい製品でも直感的に使えるようにする設計思想のことです。

例えば、リモコンの電源ボタンが左上に配置されているのも長期的ユーザビリティを考えた結果です。
多くの人が「リモコンの電源ボタンは左上にある」と学習しているため、新しいリモコンに変わっても迷わず操作できます。

このように、ユーザーに学習させて、その学習結果を裏切らないように、1つの製品だけでなく長いスパンを考えて一貫性のあるデザインにします。

長期的ユーザビリティのメリット

端的に言うと「今までがそうだったから、これからもそうします」という考え方です。
そのため、既存ユーザーや今後長く使ってもらうユーザーにメリットがあります。

  1. 学習コストの削減:ユーザーは新しい製品を使う際に、一から操作方法を学ぶ必要がなくなります
  2. 直感的な操作:慣れ親しんだ配置や操作方法により、ストレスなく製品を使用できます
  3. ブランド間の互換性:異なるメーカーの製品でも、共通の操作感を持たせることができます

長期的ユーザビリティの課題

長期的ユーザビリティは、既に学習済みのユーザーに対して優しい一方で、既存の方法に固執してしまうといった課題もあります。

例えば、古くからのクリエイティブツールとして有名なAdobe製品は、あまり使わない機能に押しやすいショートカットキーが割り当てられています。

「なんでこの機能にこんな押しやすいショートカットキーが割り当てられているの?」と思うことがあります。
おそらくこれは古くからのユーザーがそれに慣れてしまっているため、そこから変更できないんだと思います。

後からもっと便利な他の機能ができても、その機能には押しにくい複雑なキーが割り当てられています(そのため、私はショートカットキーを変更しています)。

このように、過去にとらわれてしまったり、新規ユーザーにとっては必ずしもベストではない場合があります。

バランスの取れた設計を目指して

長期的ユーザビリティは重要な考え方ですが、これだけに固執するのではなく、新しいアイデアとのバランスを取ることが大切です。

ユーザーの習慣を尊重しつつ、より良い使い勝手を追求することで、本当に使いやすくなっていきます。

この辺りは慣れとの戦いですね。

参考:UIにおける「前の方がよかった」との戦い

まとめ

長期的ユーザビリティは、ユーザーの経験と学習を重視した設計思想です。
この考え方を理解し、適切に活用することで、より多くのユーザーに受け入れられるデザインが作れるかもしれません。

しかし、過去にとらわれないようにし、常にユーザーにとって最適な設計を追求し続けることが重要です。


UX / UI のデザインに強いWebシステムの開発と、BtoB Webマーケを支援するWeb制作を提供する
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