UX / UI のデザインに強いWebシステムの開発と、BtoB Webマーケを支援するWeb制作を提供するN’s Creates (エヌズクリエイツ) 株式会社の西田です。
35歳で中途入社して、気づけば5か月が経ちました。
この5か月でいちばん変わったのは、技術スタックでも役職でもなく、「働き方の前提」です。転職前の自分にとって、AIは「たまに使う便利ツール」でした。今の現場では、AIは開発の真ん中にあります。
この記事では、「AIを使いこなす前提」で回っている開発現場に飛び込んだ中途入社者に、この5か月で何が起きたかを書きます。
「自分で書いた方が早い」と思っていた
正直に言うと、入社当初はAIに指示を書く時間があれば自分で書いた方が早い、と思っていました。それなりに長くコードを書いてきた人間には、根拠のある感覚だったんです。
考えが変わったきっかけは、劇的な事件ではありません。気づいたら、周りとの「進み方」の差をじわじわ感じていた、というのが正直なところです。同じくらいのボリュームのタスクなのに、チームのメンバーは設計から実装、レビューまでのサイクルを自分より一段速く回している。よく観察してみると、みんな「書く」ことより「AIに書かせて、検証する」ことに時間を使っていました。
経験者ほど「手を動かすのが仕事」という思い込みが強いんですよね。長年のやり方でできあがった、いわば「経験者の鎧」が、こんなところに残っていたわけです。
AIはひとつじゃなく、組み合わせて使う
今の自分のやり方を少し具体的に書くと、こんな流れです。
・Claude Codeに設計の叩き台を出させて、実装を進める
・書き上がったコードを、Codexにレビューさせる
・指摘を直して、最後に自分の目で確認する
ひとつのAIの出力を、別のAIで検証する——人間同士のダブルチェックと同じ発想です。
これが実際に効きます。あるとき、Claude Codeに「この実装で問題ないか」と確認して「問題ありません」と返ってきたコードを、念のためCodexに渡したら、外部APIの呼び出しが失敗したときのエラーハンドリングが漏れていることを指摘されました。正常系は完璧に動くので、自分のレビューでも見落としていた部分です。AIは自分が書いたコードを自分で採点すると甘くなるんですよね。このあたりも、人間とよく似ていると思うんです。
ひとつのツールを深く使い込むより、それぞれの得意なところで組み合わせる。これは自分の工夫というより、この会社の文化です。「この組み合わせが良かった」という共有が日常的に飛び交っていて、5か月前にAIを「たまに使う便利ツール」だと思っていた自分でも、自然とこの水準に引き上げられました。
鵜呑みにして、「都合の良いテスト」を書いていた話
もちろん失敗もしています。いちばん反省しているのはテストの話です。
AIにテストコードを書かせて、全部通ったのでそのままレビューに出しました。返ってきた指摘は「このテスト、仕様と関係なくないですか」。よく見ると、実装に合わせて通るように書かれた「都合の良いテスト」でした。仕様を検証するのではなく、いまのコードを追認するだけのテスト。緑のチェックマークが並ぶと、人は安心してしまうんです。
AIは「テストを通すこと」がとても上手です。でも「何を検証すべきか」を決めるのは、人間の仕事として残ると思っています。この現場には「最終責任は人間が持つ」という共通認識があるのですが、その意味が本当に腹落ちしたのはこの瞬間でした。AIが書いたコードでも、レビューに出した時点でそれは自分のコードです。
5か月で変わったこと、変わらなかったこと
変わったのは、仕事の中心が「書く」から「決めて、伝えて、検証する」に移ったことです。1日の時間配分でいえば、キーボードでコードを打っている時間は明らかに減りました。その分、設計の意図をAIに伝える時間と、出てきたものを疑って検証する時間が増えています。
変わらなかったのは、入社当初から心がけている習慣です。
・完成度60%で、途中で一度相談する
・分かったフリをしない
むしろAI前提の現場だからこそ、人間同士で方向性をすり合わせる価値は上がったと感じています。AIはどんな方向にでも高速に進んでくれるので、方向を間違えたときの手戻りも高速に大きくなるからです。
おわりに
この5か月で脱いだものは2つあります。
・経験者の鎧
・「手を動かすのが仕事」という思い込み
この現場は、AIを使うことが特別ではなく前提になっています。ただし、AI任せではありません。何を作るか決めること、出てきたものを検証すること、そして最終責任は、人間の仕事としてはっきり残っています。
これまでのやり方を一度手放して、AIにも同僚にも素直に頼れる人なら、35歳からでも十分キャッチアップできます。転職を考えている方の参考になれば嬉しいです。
「こういう働き方をしてみたい」と少しでも思ってもらえたら、採用情報から、気軽にのぞいてみてください。









