UX / UI のデザインに強いWebシステムの開発と、BtoB Webマーケを支援するWeb制作を提供するN’s Creates (エヌズクリエイツ) 株式会社の坂本です。
以前このブログでは、AIでの画像生成について書きました。
今回は、業務でAIを使って動画を制作した経験について書きたいと思います。
作ろうとしたのは、ホームページのファーストビジュアルの背景に使うループ動画です。
実際に取り組んでみると、思い通りの動画を「作れるか」だけでなく、それを納品物として「使えるか」まで考える必要があると気づきました。
きっかけは、Fireflyでの試行錯誤
目指していたのは、黒っぽいダーク系の背景に光の演出が入るような動画でした。
最初はAdobe Fireflyを使い、プロンプトを調整しながら何度も生成を繰り返していました。
ところが、なかなか意図通りの動画になりません。
試行錯誤を重ねるうちに、自分のクレジットだけでなく、チームメンバーのクレジットまで使い切ってしまいました。
それでも納得のいく動画にはたどり着けず、進め方そのものを見直すことになりました。
画像生成との違い
画像生成との一番の違いは、動画には「動き」があることでした。
画像であれば、構図や色、雰囲気を伝えればある程度形になります。
しかし動画では、光がどの方向に、どのくらいの速さで動くのか、カメラは止まっているのか動いているのか、といった点まで決めなければいけません。
前回の記事で「抽象的な言葉より、具体的な仕草で伝える」ことを学びましたが、動画ではそれが時間の流れにまで広がるのだと感じました。
もうひとつつまずいたのが、プロンプトに入る言葉の影響です。
AIにプロンプトの作成を依頼する際、「高級感とダイナミックさがある動画」と伝えたところ、「cinematic(シネマティック)」というワードが追加されることが多くありました。
その結果、生成された動画はまるで映画のオープニングのようになったり、SF感が強すぎるものになったりしました。
欲しかったのは、ホームページの背景として主張しすぎずに流れ続けるループ動画です。
「高級感」や「ダイナミックさ」をAIなりに解釈した結果が、用途とずれた方向に引っ張られていたのだと思います。
そこで、プロンプトを何パターンか作成してもらい、その中から「シネマティック」を含まないものを選ぶようにしました。
そのうえで、光の動き方や速さなど、動きの制御についても明示しました。
雰囲気を表す言葉だけに頼らず、用途に合わない言葉を避け、動きを具体的に書くことで、少しずつ狙ったイメージに近づけられるようになりました。
「作れる」手法と「使える」手法は違う
試行錯誤の途中で、別の手法を教えてもらいました。
Gemini(Veo)で作った動画の一部を、Nano Bananaで切り取って静止画にし、それをAIやFireflyでつなげていくという方法です。
この方法は、思い通りの動画を作るという意味では確かに有効でした。
ただ、進めていくうちに気になる点が出てきました。
Nano Bananaで作った静止画をFireflyで紐付けて動画にすると、最終的な動画の権利関係がどこにあるのか、分からなくなってしまうのです。
社内で相談したところ、商用利用を前提とした制作では好ましくない生成方法だという結論になりました。
狙った見た目に近づけられることと、納品物として安心して使えることは、別の問題なのだと実感しました。
現在は、進め方を次のように整理しています。
まず、Gemini(Veo)で作成した動画をサンプルとして作成し、本番用の動画をAdobe Fireflyで生成し直します。Fireflyは商用利用を前提に設計されている点を重視し、権利関係を整理しやすい形で本番の動画を用意する方針です。
現在も試行錯誤を進めている段階ですが、手法と権利の考え方を先に共有できたことで、進め方の見通しは立てやすくなったと感じています。
まとめ
今回の動画生成を通して、動画では「動き」まで言葉にする必要があること、そして「作れる」手法と商用で「使える」手法は違うことを学びました。
AIで何かを作るとき、「この手法で作ったものを、そのまま納品物として使えるか」と一度立ち止まってみてはいかがでしょうか。
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