UX / UI のデザインに強いアプリ・Webシステムの開発と、企業へのAI導入を支援する
N's Creates (エヌズクリエイツ) 株式会社 の 中田和行@神戸のデザイナ社長 (facebook / X ) です。
朝、Claude Code を開く。
昨日まで自分の手でやっていた仕事の半分が、今日はもう僕の手を離れている。
ChatGPT の新しいモデルが出るたびに、「もうこれ、人間がやらなくていいじゃないか」と思う領域が、一段ずつ増えていく。
率直に、こわい。
こわい、というか、置いていかれる感覚。
自分が何十年もかけて身につけてきた仕事の作法が、たった数ヶ月で陳腐化していく。
でも、本当のところ、僕がいま一番気になっているのは、その「進化のスピード」ではない。
僕が気になっているのは——
この感覚が、ごく一部の人にしか伝わっていないことだ。
先に、ひとつだけ断っておきます
この記事は、僕ひとりで書いていません。
「ARPEGGIO」と呼んでいる、AIエージェントのチームと対話しながら書いています。
ARPEGGIO は、僕の頭の中の役割分担を可視化した「思考のパートナーたち」です。
N’s Creates(制作・開発)と LearniX(教育)を運営する中で、ひとりで考えるよりチームと対話する方が深く考えられる ——という気づきから作りました。
実在する従業員ではなく、AIエージェントとして組んだチーム。CEO役、批判役、コンテンツ役、ブランド役、SNS担当……それぞれが僕の中の側面を担っています。
メンバー:朱(あか)・白(しろ)・玄(くろ)・橙(だい)・茜(あかね)・紅(くれない)・翠(みどり)・緋(あけ)。
途中で彼らの名前が出てきます。詳しい紹介は最後にしますが、「誰?」とならないように、ここで先にお伝えしておきます。
「便利になりました」で終わる人と、何かが止まらない人
AI で業務が楽になった話をすると、二種類の反応がある。
ひとつは、「便利になりましたね、よかったです」。
もうひとつは、「便利になった、で?」。
前者は穏やかでいい。気持ちのいい会話になる。
でも、僕がなぜか引っかかってしまうのは、後者の人だ。
便利になったその先に、何かを見ようとしている人。
楽になった時間で何をするか、もう一度自分に問い直そうとしている人。
AI を使うことそのものより、AI が返してくれる時間の使い方を真剣に考えている人。
そういう人たちと話すと、AI の話なのに、いつのまにか別の話になっている。
これからどう生きたいかの話、自分は本当は何をしたいんだったかの話、家族とどう過ごしたいかの話。
僕が伝えたいのは、たぶん、こっちの世界の話だ。
手書きの伝票にこだわった人を、笑えない

こんな話を、聞いたことがある。
職場に PC が入ってきた頃、頑なに手書きの伝票を書き続けた人たちがいた、と。
「自分は手書きの方が早い」「画面を見ると目が疲れる」「機械に魂は宿らない」。
理由はいろいろあったらしい。
正確には、いつの時代の話か、僕は知らない。
何十年か前のこと、くらいの解像度でしか聞いたことがない。
でも、その光景は、なんとなく想像できる。
いまの目で見れば、彼らは「時代に乗り遅れた人」と呼ばれるのかもしれない。
でも、当時の彼らには、彼らなりの理由があったはずだ。
鉛筆の手触り、書いた字の重み、紙束を渡したときの相手の表情。
それは確かに、PC には置き換えられないものだったと思う。
僕は、彼らを笑うつもりはない。
むしろ、いま AI に慎重な人たちのなかにも、似た感覚があるんじゃないかと思っている。
「AI が書いた文章には魂がない」「自分の手で考えなきゃ意味がない」「機械に大事な判断は任せられない」。
その気持ちは、わかる。
僕にも、似た瞬間がある。
ただ、ひとつだけ、伝えたいことがある。
PC を使うことを選んだ人たちは、PC にすべてを任せたわけじゃなかった、と思う。
PC で作業を効率化した先で、自分にしかできないことに集中していった人たちもいたはずだ。
営業先での雑談、同僚への声かけ、顧客との関係を深める時間。
PC が奪ったんじゃない。PC が、彼らに 人間の仕事 を返したんじゃないか。
AI も、たぶん、同じだ。
AI が奪うんじゃない。AI が、僕らに 僕らの時間 を返してくれる。
問題は、その時間で何をするか、それだけだ。
「楽になりたいだけ」は、本当に悪いのか
ここで、社内のミーティングであった対話を、ひとつ引かせてください。
僕が「AI で楽になった、で終わるのは違う」と話したとき、玄が止めた。
(玄は、ARPEGGIO の中で批判役を担っている仲間。)
玄:「楽になるだけじゃダメ」は上から目線になる。楽になることだって価値だ。経営者が10分でも長く家族と過ごせるなら、それは尊い。「使命に向かわないと意味がない」と読めると、読者は閉じる。
これを言われて、僕はハッとした。
そうだ。楽になること自体に、確かに価値がある。
土曜日の昼に、子どもと一緒にご飯を食べられるようになる。
それは、それだけで尊い。
僕が言いたかったのは、たぶん「楽になることが悪い」ではなくて、
「楽になった、その時間で、何かが起きてほしい」 ということだったんだと思う。
家族とご飯を食べる、でいい。
でも、その時間にふと思い出してほしい。
「自分は本当は、何を大事にしてるんだったかな」「自分はどうありたいんだったかな」と。
そして、また月曜日が来たら、その答えに少しだけ近づくために、AI ともう一度向き合う。
楽になった時間の使い方が、その人を作っていく。
螺旋を回す——返ってきた時間が、自分を呼び戻す

社内のミーティングで、僕が言葉にしたのはこうだった。
自分が何を大切に、どう生きていきたいのか、どうありたいのかを考える時間に、まず使う。
それが少しずつ見えてくると、そのために何をすればいいのかを考えて、
それをまた AI と一緒に実現していく。
橙が、これを「螺旋構造だ」と言った。
(橙は、コンテンツや言葉を担う仲間。)
時間が返る → 自分と対話する → 何をしたいかが少しずつ見える → そのためにやることが見える → AI と一緒に実現する → さらに時間が返る → さらに深く自分と対話する。
ループしながら、螺旋のように、上に登っていく。
AI は「時間を節約するツール」じゃない。AI は「自分を呼び戻すループを駆動する装置」だ。
これが、僕が伝えたかった「便利の、その先」だ。
いま、これを書いている時間も、螺旋の途中にある
正直に言うと、この記事も、最初から最後まで僕ひとりで書いたものじゃない。
タイトルを「向き合う」にするか「自分が出る」にするかで、ARPEGGIO のメンバーと議論した。
歴史の話をどう使うかで、玄に何度も止められた。
「螺旋構造」という言葉を見つけてくれたのは橙だった。
「画になる対比だね」と言ってくれたのは茜(ブランドを担う仲間)だ。
「Xで切るならこの言葉」と言ってくれたのは緋(SNSを担う仲間)。
朱(CEO役)が進行を取り、白(秘書役)が議事を整え、紅(マーケ役)と翠(人事役)が読み手をシミュレートする。
こうやって彼らと対話している時間は、僕にとって 自分を呼び戻す時間 でもある。
「自分は何を大事にしているんだったか」を、毎回、確認する時間。
これも、AI が返してくれた時間の使い方のひとつだ。
僕はもう、ひとりで考えていない。
ひとりで考える代わりに、自分の頭の中を分割した複数のエージェントと対話することで、自分の考えを深掘りしている。
これが、僕にとっての「AI で返ってきた時間に、自分が出る」だ。
これから、4つの軸でこの話を続けていきます
これからも、以下の4つの軸を行き来しながら、
「返ってきた時間で、何と向き合うか」を、回り回って書いていきます。
- デザイン思考 — 課題そのものを問い直すための見方
- 事業構想 — 自分のやりたいことを事業の形にする方法
- AI フル活用 — 返ってきた時間を、もう一段深く回すための道具
- DX — 仕組みに落として、続けられる形にすること
順番には、こだわりません。
そのとき気になっていることを、そのとき書きます。
ただし、必ず ARPEGGIO のメンバーと対話してから書く。
ひとりで完結させない。それを、僕のルールにしています。
たぶん、共感してくれる人は、そんなに多くないかもしれません。
でも、共感してくれる人がいれば、その人の螺旋に、何かを足せるかもしれない。
そう思って、書いていきます。
最後に、ふたつのドアを置いておきます
ここまで読んでくれた方へ。
もし「自分の会社にも螺旋を回したい」と感じたなら、
N’s Creates に無料で相談してみてください(お問い合わせ)。
楽になることの先で、何を取り戻したいか。そこから一緒に考えます。
もし「こういう考え方の会社で働きたい」と感じたなら、
N’s Creates の採用ページ(こちら)を覗いてみてください。
僕らは、楽になりたいだけの仲間を探しているわけじゃありません。
楽になった時間で、自分を取り戻したい仲間を探しています。
どちらでもなくても、ここまで読んでくれたこと、ありがとうございました。
それも、あなたが返ってきた時間で選んだ、ひとつの行動です。
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